院長 ご挨拶
飯田病院は明治36年に開院した、長野県下で最も歴史の古い病院です。今年、創立120周年を迎えました。これも地域の皆様の支えと信頼関係があったからこそと感謝申し上げます。
病床数は400床を超えますが、一般科と精神科がほぼ半々という全国的にも稀な特徴をもちます。そして専門性の高い「人工関節置換術」の診療実績は全国で有数の施設となっていますし、「傷の小さな外科手術」、「フットケア外来」、「病理外来」や「アレルギー性鼻炎に対する免疫療法」など、最先端の特色ある専門治療を提供します。5大疾病の一つである精神疾患(うつや認知症)は当院が地域の中核を担い、「認知症疾患医療センター」を併設、また精神医療の臨床研修にも力を入れております。
当地域は全国でもトップレベルの健康長寿地域です。医療の現場では急性期治療に引き続き、速やかなリハビリや介護・福祉サービスが求められますが、地域包括ケア病棟は地域で最も診療実績があります。チームワークを活かしながら在宅医療を含め地域の診療所と積極的に連携をとり、地域全体の医療を支えます。
私たちは今、コロナ禍を経て歴史的な大転換の時を迎えています。医療界でも地域医療構想に基づく病院機能の分化、医療ICT化推進、働き方改革など種々の変化がおきています。その中でも、病院理念である「仁の心」を大切に医療・介護を通して地域社会に貢献したいと思います。
風越山のふもと、天竜川や南アルプスをみはるかす飯田市には将来「リニア駅」設置が予定されています。将来を見据え、いざという時にこそ地域の皆様に信頼される組織であり続けるよう私たちは日々精進して参ります。
2023年(令和5年)6月
病院長 原 栄志