コース案内
(A)人間ドック一般コースの内容
【問診・オリエンテーション】
保健師が個別に行います。オリエンテーションでは、当日のドックの流れや検査について説明します。問診では、今までにかかったことのある病気や、現在治療中の病気、気になる症状、過去の健診結果などをお聞きし、それらに関連して、生活環境や、食生活などの生活習慣などもお聞きします。
【検査】
1)身体計測
身長、体重、体脂肪率、腹囲から、肥満や内臓脂肪型肥満の有無などを調べます。
2)視力測定
近視、遠視、メガネ・コンタクトレンズの度が合っているが調べます。
3)血圧測定
高血圧や低血圧がないかを調べます。血圧が高い人は、そのままにしておくと動脈硬化が進み、心臓病や脳卒中、腎臓病などの重大な生活習慣病の原因となります。血圧測定は、こうした生活習慣病予防に欠かせない検査です。
4)胸部X線検査
肺の病気や、心臓の病気など、胸部の病気の有無やその広がりの程度、病巣の位置などを調べます。
~この検査結果から推測される病気~
肺炎、肺がんなどの肺疾患、心肥大、大動脈硬化症、胸部大動脈瘤など、胸部の病気
5)生理検査
眼底検査
眼底カメラで眼底を撮影します。
眼底の血管は、体の中でもっとも鮮明に観察できる血管であるため、眼底検査では目の病気だけでなく、脳や血管など全身の病気について多くの情報を得ることができます。
~この検査結果から推測される病気~
高血圧症、動脈硬化症、糖尿病の合併症の有無、脳腫瘍、くも膜下出血、硬膜下出血、網膜疾患など
心電図検査
健康な心臓の状態と変化の判定、不整脈(脈の乱れ、心臓のリズムの異常)の発見と診断、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心臓病の発見と診断、高血圧に伴う心肥大などを調べます。
~この検査結果から推測される病気~
不整脈、狭心症、心筋梗塞、心筋症、心肥大、心膜炎、高血圧症、動脈硬化症など
肺機能検査
空気を肺に出し入れする換気機能を調べます。肺活量のほか、平静時の息の量(一回換気量)や、一秒間で最大どれくらい吐き出せるかを調べる一秒率などを計測します。
~この検査結果から推測される病気~
肺気腫、気管支喘息、気管支拡張症など、慢性呼吸器の病気
超音波検査
超音波を使って、腹部の臓器や組織の状態を画像化して調べます。
~この検査結果から推測される病気~
ガン(肝臓・胆のう・すい臓・腎臓・卵巣・子宮・前立腺など)、大動脈瘤、肝硬変、胆のう結石、膵炎、腎結石、 卵巣のう腫、子宮筋腫、前立腺肥大など
6)血液検査
血液学:貧血、白血病、感染症、などを調べます。
血清学:B型・C型肝炎、細菌感染症、膠原病などを調べます。
生化学:急性・慢性肝炎やアルコール性肝炎、肝硬変などの肝臓疾患や、胆道系疾患、腎疾患、すい臓疾患などを調べます。
血中脂質:高脂血症の有無を調べます。
腎機能:腎疾患や、痛風を調べます。
電解質:腎疾患や糖尿病、内分泌の病気を調べます。
7)尿検査
泌尿器疾患や、糖尿病、肝機能障害、動脈硬化などを調べます。
8)便検査
あらかじめ2回分の便を採取して人間ドック当日にお持ちいただきます。この便を用いて潜血反応を調べ、消化管(胃や大腸など)に出血がないかを調べます。便潜血反応が陽性の場合、消化管の潰瘍や、大腸ポリープ、大腸がんなどが疑われ、大腸内視鏡検査が必要になります。
9)胃部検査
胃の検査では、胃内視鏡検査(胃カメラ)または、胃レントゲン検査(バリウム)をお選びいただきます。
胃内視鏡(胃カメラ)
ファイバースコープ(内視鏡)で食道、胃、十二指腸の内部を直接観察します。食道・胃・十二指腸の病変の診断や、生検(臓器の一部の組織を採取して、悪性細胞の有無などを調べる組織検査)などを行うことができます。検査時間は5~10分程度で、生検がある場合は10~20分程度です。
~この検査結果から推測される病気~
食道炎、食道潰瘍、食道ガン、胃炎、胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍など上部消化管の病気
胃レントゲン検査(バリウム)
バリウムを飲んだあと、体の位置を変えながら、食道・胃・十二指腸のエックス線写真を撮影します。この検査では異常の有無を調べ、異常がある場合は胃カメラの検査が必要になります。
~この検査結果から推測される病気~
食道・胃・十二指腸の異常の有無、脊柱の変形や側湾、腹部の石灰化像・ガスの異常像
医師の診察、検査結果説明
医師が診察を行い、検査結果を説明します。必要に応じて、日常生活改善のアドバイスや、精密検査・治療に関しての相談をいたします。
健康相談
医師による診察と結果説明が終わったあと、病気の予防や、悩み、毎日の生活について、保健師が相談・指導をいたします。生活習慣病の予防や、すでにかかっておられる病気の悪化を防ぐためには、日常生活の改善が不可欠です。人間ドックの結果や日常の生活習慣などを考慮しながら、生活改善を具体的にするために、相談・指導を行います。
栄養相談
生活習慣病の予防のため、必要に応じて管理栄養士が、食生活改善のための栄養指導をいたします。
(B)人間ドック腫瘍専門コースの内容
腫瘍専門コースでは、一般コースの検査内容のほかに、以下の項目が加わります。
1)胸部ヘリカルCT
ヘリカルCTは、通常のCTよりも細かい間隔で、らせん状に高速で体を連続撮影することができます。従来のCTでは画像と画像の隙間にあって見逃されてきたような小さな病巣や、血管の異常を発見することができます。また、得られたデータから、鮮明な三次元の立体画像をつくることもできます。検査時間は5~10分程度です。
肺がん、中皮腫、肺気腫などの肺疾患の診断に有効です。また、一部の肝臓の診断もできます。
2)腫瘍マーカー
腫瘍マーカーとは、ガンが生み出す特殊な物質で、血液中のその物質を測定することにより、ガンの早期発見に役立てます。ただし、異常値ならすぐにガンとは限らないので、腫瘍マーカーの結果が異常値の場合は、診断のためにより詳しい検査をする必要があります。
~この検査結果から推測される病気~
PSA(男性のみ)… 前立腺ガン
CEA … 結腸ガン・胃ガン・すい臓ガンなどの消化器系ガン、肺ガン、甲状腺ガンなど
CA19‐9 … すい臓ガン、胆のう・胆管ガン、胃・大腸ガンなど
CA125(女性のみ)… 卵巣ガンなどの婦人科系ガン
(C)脳ドックの内容
【問診・オリエンテーション】
保健師が個別に行います。オリエンテーションでは、当日のドックの流れや検査について説明します。問診では、今までにかかったことのある病気や、現在治療中の病気、気になる症状、過去の健診結果などをお聞きし、それらに関連して、生活環境や、食生活などの生活習慣などもお聞きします。
【検査】
1)身体計測
身長、体重、体脂肪率、腹囲から、肥満や内臓脂肪型肥満の有無などを調べます。
2)視力測定
近視、遠視、メガネ・コンタクトレンズの度が合っているが調べます。
3)血圧測定
高血圧や低血圧がないかを調べます。血圧が高い人は、そのままにしておくと動脈硬化が進み、脳梗塞や脳出血などの脳血管系の病気や、心筋梗塞や腎臓病などの病気の原因となります。
4)頭部MRI・MRA検査
MRとは、磁気共鳴断層画像診断装置(Magnetic Resonance)の略で、強い磁気と電波によって人体の断層像を撮影します。 X線を使わないため被爆の危険がなく、痛みもなく、あらゆる方向の画像が得られます。頭部MRIでは、脳の萎縮や梗塞、虚血の有無などを、頭部MRAでは脳の血管の様子を調べ血管の狭窄や動脈瘤の有無などを調べます。
MRでは、強い磁気を用いますので、体内にペースメーカーや、人工弁、金属のクリップなどが挿入されている方は、原則としてMR検査をお受けいただくことができません。
5)生理検査
眼底検査
眼底カメラで眼底を撮影します。
眼底の血管は、体の中でもっとも鮮明に観察できる血管であるため、眼底検査では目の病気だけでなく、脳や血管など全身の病気について多くの情報を得ることができます。
~この検査結果から推測される病気~
高血圧症、動脈硬化症、糖尿病の合併症の有無、脳腫瘍、くも膜下出血、硬膜下出血、網膜疾患など
心電図検査
健康な心臓の状態と変化の判定、不整脈(脈の乱れ、心臓のリズムの異常)の発見と診断、動脈硬化が原因である狭心症・心筋梗塞などの虚血性心臓病の発見と診断、高血圧に伴う心肥大などを調べます。心臓に、期外収縮や細動などの不整脈があると血栓ができやすく、その血栓が脳で詰まると心原性の脳梗塞を引き起こします。
~この検査結果から推測される病気~
不整脈、高血圧症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、心筋症、心肥大など
6)血液検査
血液学:貧血、出血傾向、白血病などを調べます。
生化学:肝臓の機能、糖尿病の有無などを調べます。
血中脂質:高脂血症の有無を調べます。
腎機能:腎疾患や、痛風を調べます。
7)尿検査
泌尿器疾患や、糖尿病、肝機能障害、動脈硬化などを調べます。
医師の診察、検査結果説明
医師が診察を行い、検査結果を説明します。必要に応じて、日常生活改善のアドバイスや、精密検査・治療に関しての相談をいたします。なお、MRI,MRAの結果は当日出ませんので、後日報告書でお知らせいたします。
健康相談
医師による診察と結果説明が終わったあと、病気の予防や、悩み、毎日の生活について、保健師が相談・指導をいたします。脳卒中などの生活習慣病の予防や、すでにかかっておられる病気の悪化を防ぐためには、日常生活の改善が不可欠です。結果や日常の生活習慣などを考慮しながら、生活改善を具体的にするために、相談・指導を行います。
栄養相談
生活習慣病の予防のため、必要に応じて管理栄養士が、食生活改善のための栄養指導をいたします。
(D)認知症ドック(脳RI・MR(VSRAD)ドック)
【問診・オリエンテーション】
保健師が個別に行います。オリエンテーションでは、当日のドックの流れや検査について説明します。問診では、今までにかかったことのある病気や、現在治療中の病気、気になる症状、過去の健診結果などをお聞きし、それらに関連して、生活環境や、食生活などの生活習慣などもお聞きします。
【検査】
1)脳血流シンチ検査
脳血流シンチ検査は、脳に集まる性質を持った微量な放射線を出す医薬品を静脈注射して脳に集まった薬から出されるガンマ線を検出するカメラで撮影することにより、脳の血流状態を画像にして見ることのできる検査です。脳の機能が低下している部位などは、画像や解析結果から脳の血流が低下していることがわかり、認知症や脳血管障害の早期診断に有効です。検査前に、薬液を静脈注射させていただきますが、検査にあたっての食事制限などは特にないため、安心して受けていただけます。
※使用する検査薬が特殊な為、使用期限が当日のみとなっております。そのため、当日のキャンセルはできません。キャンセルの場合は、日曜及び祝祭日を除く前日の17時までに、人間ドック・健診科にご連絡をお願いいたします。
尚、それ以降のキャンセルにつきましては事由に関わらず、薬代等(45,000円(税別))をお支払いしていただきますので、ご承知おきください。
2)脳MR検査・VSRAD(MRIによる診断)
VSRAD診断(脳MRI画像から解析する画像診断)を行うことで、脳の深部にある海馬(記憶を管理する部位)及び海馬傍回付近の萎縮を調べます。早期アルツハイマー型認知症では、この海馬傍回付近の萎縮が特徴的に見られます。
脳血流シンチ検査と合わせて検査することで、より正確に早期アルツハイマー型認知症を診断できます。
3)改訂長谷川式簡易知能評価スケール
改訂長谷川式簡易知能評価スケールとは、認知症の評価スケールです。口頭による質問により、短期記憶や見当識(時・場所・時間の感覚など)、記名力などを比較的容易に点数化し評価します。
4)身体計測
身長、体重、腹囲から、肥満や内臓脂肪型肥満の有無などを調べます。
5)血圧測定
血圧を測定します。血圧が高い人は、そのままにしておくと動脈硬化が進み、脳梗塞や脳出血などの脳血管系の病気や心筋梗塞や腎臓病などの病気の原因となります。
6)血液検査
血液学:貧血、出血傾向、白血病などを調べます。
生化学:肝臓の機能、糖尿病の有無などを調べます。
血中脂質:高脂血症の有無を調べます。
腎機能:腎疾患や痛風を調べます。
7) 尿検査
泌尿器疾患や糖尿病・腎機能障害などを調べます。
医師の診察・結果説明
ドック当日には、医師の診察・結果説明は行いません。
検査結果が全て出てから、改めて後日来院していただき、医師から検査結果の説明をいたします。
結果の説明を聞きに来ていただく日程については、ドック当日にご相談させていただきます。